坂東三十三箇所

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坂東三十三箇所とは

最終更新

2008-12-28T10:51:23+09:00

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坂東三十三箇所とは、神奈川県・埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県にかけて位置する33か所の観音霊場を指す。観音信者であった源頼朝が、各地の勢力のある豪族などに有力な寺院を推挙させ、源実朝が西国の霊場を模範として札所を制定したと伝えられている。旧陸奥一ノ宮の都々古別神社が所蔵する十一面観音像の台座には、三十三箇所の巡行をしている沙門成弁によって天福二年七月十九日に造立されたとの記録が残っており、この三十三箇所は坂東の札所を指すと考えられていることから、少くとも天福年代（1233〜1234年）までに坂東霊場は成立していたと推測されている。

霊場成立当初は、修行僧による巡礼がほとんどであったと考えられているが、室町時代中期以降になると一般庶民も巡拝するようになる。これは、足利鑁阿寺の本堂修理中に発見された坂東納札や、中尊寺の延徳6（1494）年、鳥海西芳寺の大永7（1527）年、秩父法雲寺の天文4（1535）年、笠森寺の天正10（1582）年のそれぞれ納札からうかがえる。また、秩父三十四箇所が成立して百観音巡礼が行われるようになったのもちょうど室町中期頃と考えられており、法寺時には天文5（1536）年の百観音巡礼の納札が現存している。

坂東の霊場は、鎌倉を出発点に、相模・武蔵・上野・下野・常陸・上総・下総・安房を巡る行程となり、第一番札所の杉本寺から第三十三番札所である那古寺までを巡拝すると約1300キロメートルもの道のりになる。巡礼の盛んであった江戸時代には既に、かならずしも札所の順番どおりに巡っていたわけではなく、様々な巡り易い順序で巡拝していたが、それでも40〜50日を費やしていたとされる。この頃から、信仰目的ではなく遊楽気分での巡拝が目立ち始め、霊場の門前に門前街が形成されていった。

巡礼者は全ての札所を巡拝（結願）すると、善光寺および北向観音に「お礼参り」をすることが慣わしとされている。また、西国三十三箇所、秩父三十四箇所と併せて日本百観音といい、その結願寺は秩父三十四箇所の三十四番水潜寺となる。

巡礼心得の事

• 一、第一信心に観音の御名を唱うべきこと。
• 一、専ら慈悲の心を持って巡礼すべし。
• 一、もろもろの生物殺すべからず。
• 一、はら薬気をつけもつべし。
• 一、酒をすごすべからず。
• 一、同行口論なきようつつしむべし。
• 一、身のまわり軽く金銭も少しもつべし。
• 一、足弱主人に荷物ようしやあるべし。
• 一、食物の養生すべし。
• 一、日のうちにはやく宿を借るべし。
• 一、夜ぶかにやどを出まじきこと。

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