Ethernet(IEEE802.3)

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Ethernetとは?

最終更新
2005-02-01T00:00:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/lan/ethernet/ehernet.html#ethernet

Xerox社とDEC社が考案した1970年代の末期にXeroxが開発、1980年に加えてintel、DEC(現在はHewlett Packard社の一部門)の3社共同で規格をまとめたLAN規格のことで、IEEE 802.3委員会によって標準化されました。3社の頭文字をとって、DIX-Ethernetと言うこともあるようです。IEEE802.2は、IEEE802.3、IEEE802.5、FDDI 等で使われるLLC副層の規格ですが、実際 Ethernet はこの IEEE802.2 の部分(LLC 副層)も含んだ規格となっています。更に、IEEE802.3 と Ethernet はほぼ同じなため、最近では IEEE802.3も含めてEthernetと表されることも多いようです(下図表参照)(明確な違いは補足知識で説明しています)。

Ethernet
OSI 参照モデル LAN規格
データリンク層 LLC副層 Ethernet IEEE802.2
MAC副層 IEEE802.3 IEEE802.5 FDDI
物理層

もう少し突っ込んで話をしますと、Ethernetとは、物理層の規格である10BASE-Tや100BASE-TX等と、データリンク層の処理を定めている規格です。早い話が、端末同士をケーブルで結んで、ケーブルで接続された機器に対してフレームを送り届けるための方法を定めているのです。Ethernetの接続形態には、1本の回線を複数の機器で共有するバス型と、集線装置(HUB)を介して各機器を接続するスター型の2種類があります。アクセス制御にはCSMA/CDが採用されています。また、最大伝送距離や通信速度等によってもいくつかの種類に分けられます。

10BASE-2はケーブルに細い同軸ケーブル(Thin coax)を利用した、通信速度10Mbps、最大伝送距離185m、最大接続機器数30台のバス型LANです。

10BASE-5は太い同軸ケーブル(Thick coax)を利用した、通信速度10Mbps、最大伝送距離500m、最大接続機器数100台のバス型LANです。

現在、広く利用されている10BASE-Tは、より対線(UTP)を利用した通信速度10Mbps、最大伝送距離100mまでのスター型LANです(ハブの多段接続は3段階まで)。

各Ethernet説明
  DIX-Ethernet IEEE 802.3
10BASE5 10BASE2 10BASE-T 10BASE-FL
帯域幅 10Mbps
信号タイプ ベースバンド
最長距離 500m 185m 100m 2000m
ケーブル RG-11 RG-58 UTP(3) GI/MMF850nm
接続形態 バス型 スター型

また、最近では100BASE-TX等の通信速度100MbpsのFast Ethernetの普及が進んでいます。更に、1Gbpsの通信を可能にするGigabit Ethernetについても、100BASE-TXと物理層の互換性が高い1000BASE-Tを中心に普及が始まっています。

なお、「Ethernet」という表現は元々10MbpsタイプのLAN規格の名称でしたが、現在はFast Ethernet/Gigabit Ethernetを含んだ総称としての意味合いが強まっています。Fast Ethernet、Gigabit Ethernetについては別ページにて解説をしていますので、興味のある方は参考にして下さい。

Ethernetの仕組み

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2005-02-01T00:00:00+09:00
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まず、送信の際は、LLC副層へ上層であるネットワーク層からデータが降りてきます。LLC副層は、そのデータにイーサタイプと呼ばれる2バイトの情報を付け加えます。これは、フレームに収めた部分がどのプロトコルを使って作成されたものであるかという情報です。そして、LLC副層はイーサタイプ付きのデータをMAC副層に渡します。MAC副層では、あて先MACアドレスと送信元MACアドレスをデータの先頭につけます(ここでつけられた情報とLLC副層でつけられたイーサタイプをあわせてMACヘッダと呼びます)。さらに、FCS【Frame Check Seguence】と呼ばれるトレイラを後部に付加します。FCSにはCRC【Cyclic Redundancy Check】(周期冗長検査)という値が格納されていて、データのエラーチェックのために使用されます。

これで終わりではありません。MAC副層では、MACアドレスのさらに前に、プリアンブルSFD【Start Frame Delimiter】と呼ばれる二つの情報を付加します。これらはMACフレームを送り出す前の合図となっています。プリアンブルは1と0が交互に28回繰り返されるデータで、SFDは「10101011」というデータです。1と0の繰り返しを送ることにより、受信側では信号の波形のタイミングを計り、SFDの最後の「11」がきたら、その後に続くMACヘッダ以下の信号を取り込んでいくのです。実際には、イーサタイプを含むMACヘッダの付加はコンピュータの内部で行われ、トレイラの付加、プリアンブルやSFDの付加はLANアダプタ等の内部で行われるのが一般的です。

MACフレーム及び制御用データ

MACフレーム
フィールド名称長さ(ビット)説明
プリアンブル561と0の28回繰り返し
SFD810101011
宛先MACアドレス48パケットを届ける相手のMACアドレス
送信元MACアドレス48このパケットを送信した側のMACアドレス
タイプ16使用するプロトコルの種類
IP プロトコルでは0800、ARP プロトコルでは0806を使用する。
データ46-1500-
FCS32トレイラ

MACフレームを付けられたデータは電気信号に変えられてメディアへと流されるわけですが、Ethenet ではこの際に同一セグメント内のホスト全てにフレームを送信します。例え宛先がある特定のホストだけであっても、Ethernetの世界ではそのホストがどこにいるのか分かりません。分からないのであればとりあえず全員にフレームを送り、必要の無い人にはそのフレームを破棄してもらう、と言った方式を取っています。このような方法をブロードキャスト型と呼びます。もちろんフレームを受け取ったホストは MAC フレームの中の「宛先MACアドレス」を確認することによって、自分宛かそうでないかを確認できるのです。

補足

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EthernetMTU は1500バイト

一般的にTCP/IP通信の場合は「Ethernet DIXフレーム」を利用し、その他の場合(NetWare, NetBIOSなど)は「IEEE 802.3 (802.2)フレーム」を利用します。IEEE802.3ではタイプ項目に「長さ/タイプ」が入ります。さらにパケットが最大1497バイトになり、減った3バイト分にIEEE802.2で決められたLLC副層の情報が入ります。

Ethernet
 機能10BASE510BASE210BASE-T10BASE-FL
Ethernet Interface CSMA/CDの機能を制御 端末に内蔵
AUI 端末とMAUの接続 AUIケーブル 端末内部で接続(ケーブル不要)
MAU データ送受信、衝突検出 外部取付MAU 端末に内蔵
MDI メディアへの物理的変換 トランシーバタップ BNCコネクタを端末に装備 RJ45を端末に装備 光コネクタを端末に装備

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Copyright (C) 2004-2005 七鍵 key@do.ai 初版:2004年1月18日 最終更新:2005年02月01日