スミレ

最終更新: 2007-05-30T00:00:00+09:00

この記事のURI参照: https://www.7key.jp/data/vegetation/menu_s/violet.html#menu

サ行
- スから始まる植物

スミレの情報

最終更新: 2007-05-30T00:00:00+09:00

この記事のURI参照: https://www.7key.jp/data/vegetation/menu_s/violet.html#what

スミレとは、スミレ科スミレ属の植物の総称として用いられることもあるが、狭義にはViola mandshuricaという種の和名に用いられるため、当ページもそれに併せることとする。

一般名	スミレ（菫）
学名	Viola mandshurica
科名と属名、園芸分類	スミレ科スミレ属の多年草。
英語名	violet
別名	マンジェリカ、スモウトリバナ（相撲取花）、スモウトリグサ（相撲取草）
花の情報	深い紫色（菫色）の花を咲かせる。唇弁中央には白地に濃い紫条がある。ラッパのような形の花を横向きかやや斜め下向きにつける。側弁の基部は有毛（希に無毛のものもある）。5枚の花びらは大きさが異なり、下側の1枚が大きく花の形は左右対称となる。ラッパの管に当たるのは大きい花弁の奥が隆起したもので、「距（きょ）」と呼ばれ、蜜が蓄えられている。
開花時期	3～5月
原産地	日本～東北アジア
適温	-
草丈	10～20cm
花径	20～25mm

その他外観に関すること

葉は根際から出て、少し長めの葉柄がある。長楕円状披針形で先は鈍頭、縁に鋸歯がある。葉柄に広い翼がある。花時の葉身は2～9cm、幅は1～2.5cm、葉柄は3～15cm。
地下茎は太くて短く、多数の葉を根出状に出す。
地上に茎はなく、花茎が根際から出てやや立ち上がり、てっぺんで下を向いて花のラッパの管の中程に上側から着く。

知識

道ばたで春に花を咲かせる野草。日本全土の人家付近から丘陵まで日当たりのよいところに普通に生える。芝生や路傍、堤防などはもちろん、アスファルトの割れ目に生育するなど、生育範囲は広い。
花の形状が大工の使う墨入れ（墨壺）を思わせることにちなんで名付けられた、との説を牧野富太郎が唱えた。牧野の著名さもあって広く一般に流布しているが、万葉時代から「須美礼」との名前があり、当時、現在見るような形の墨入れがあったかどうか疑問視されているため定説とは言えない。隅取紙で作った旗印の「隅入れ」にちなむとの説もある。
種小名【mandshurica】は「満州の」という意味。
本種の和名である「スミレ」は、属名や科名、目名と混同して紛らわしいため、スミレ愛好家は特に本種を指す場合、学名でもある「マンジュリカ」と呼ぶことがある。
スミレの花の後ろの「距」を互いに引っかけ、引っ張り合いをして遊ぶことから「スモウトリバナ（相撲取花）」「スモウトリグサ（相撲取草）」の別名もある。
花粉を媒介して種子を形成する。花期以降の季節でもつぼみを形成するが花を開くことなく、閉じたままで種子を形成する閉鎖花を形成する。このような繁殖戦略は、春には他花との花粉媒介を行うことによって多様な遺伝子を持った種子を形成し、それ以降は花粉を媒介せず効率的な種子形成を行うことのできる融通性の高い方法と考えられる。
スミレ属の種子には、アリが好むエライオゾームという物質が含まれる。
当種を他の「スミレ」と見分けるポイントは、「葉の形」、「葉柄に翼があるかどうか」、「側弁の毛の有無」。
アメリカ合衆国のイリノイ州、ニュージャージー州、ロードアイランド州、ウィスコンシン州がそれぞれ州花としている。