マルチキャスト【multicast】

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マルチキャストとは

最終更新
2006-03-14T00:49:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/technology/term/basic/multicast.html#what

コンピュータネットワーク内で、決められた複数の相手を指定して同時にデータを送信することを指します。データを送信する際には、マルチキャストアドレスと呼ばれるホストグループを示す単一の宛先IPアドレスが使われます。マルチキャストアドレスはクラスDと呼ばれる上位4bitが1110(224.0.0.0〜239.255.255.255)のIPアドレスで表現され、ユニキャストアドレスとは異なり複数のホストからなるマルチキャストグループを指すこととなります。マルチキャストグループの構成は固定されておらず、各ホストはいつでもマルチキャストグループに参加することができますし、いつでもグループから抜けることができます。マルチキャストグループには、ホストの位置やホストの台数による制限はありません。また、ホストは複数のマルチキャストグループに参加することもできますし、どのマルチキャストグループにも参加しないこともできます。さらに、ホストは自分が属していないマルチキャストグループに対しても、そのマルチキャストグループ宛にデータを送信することができます。

なお、マルチキャストアドレスには固定的にIANAから割り当てられているウェルノウンアドレスと、臨時的なアドレスとがあります。ここで、固定されているのはアドレスであり、グループに属するホストが固定されているわけではありませんので注意が必要です。また、臨時的なアドレスでは、アドレスの割り当てがその場その場で変わり、構成ホストがなくなると取り消されます。

IPマルチキャストの転送は全てIPマルチキャストルータ(標準的なIPルータにこの機能は組み込まれている)が行います。LAN内で発信されるIPマルチキャストは、その中のどのホストでも受信することができます。また、このマルチキャストがもつIP生存時間が1より大きい場合は、接続されているマルチキャストルータによってそのマルチキャストグループに属するホストが存在する他のネットワークに転送されます。転送は通常の方法で、指定された生存時間内だけ行われ、マルチキャストルータがパケットをローカルマルチキャストとして発信し、配信が完了します。

マルチキャストの送信ホストデータグラムを1つだけ送信し、そのデータグラムは経路途中の適切なルータによって複製され、受信ホストに配送されます。経路途中のルータは、マルチキャストの受信者が異なるインターフェイスに属している場合だけ、データグラムの複製を行います。このことによって、同一内容のデータグラムは必要な経路に1つしか流れませんのでネットワークに無駄なトラフィックが発生することはありません。また、マルチキャスト送信ホストが受信ホスト数のデータグラムを作成せず、経路上の各ルータがデータグラムを複製しますので負荷が分散されます。マルチキャストを行うには、マルチキャスト経路制御プロトコル【Multicast Routing Protocol】と呼ばれる経路制御用のプロトコルを導入する必要があります。

マルチキャストの仕様

最終更新
2006-03-11T14:01:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/technology/term/basic/multicast.html#method

IPマルチキャストの仕様は準拠の程度によって以下のレベルに分けられます。

レベル0

IPマルチキャストをサポートしていないことを示します。IPの実装に際し、IPマルチキャストの処理機能のサポートは必須ではありません。RFC1112では推奨とされています。レベル0ホストはローカルネットワークのマルチキャスト動作には影響されません。マルチキャストデータグラムを受信した際にはこれを破棄しなければなりません。

レベル1

IPマルチキャストの発信のみで受信はサポートしていないことを示します。レベル1ホストがマルチキャスト動作に関するのは、状態などの報告をする場合です。子の場合、ホストは定期的にマルチキャストパケットを作成し、他のホストに送信することができますが、受信についてはレベル0ホストとして動作します。

レベル2

IPマルチキャストを完全にサポートしていることを示します。マルチキャストグループに参加したり抜けたり、マルチキャストデータグラムの送受信を行ったりします。このホストIGMPといくつかの拡張機能を完全に実装する必要があります。

マルチキャストの実装

最終更新
2006-03-11T17:22:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/technology/term/basic/multicast.html#equipment

マルチキャスト送信機能の実装

Ethernetモジュールの拡張

IPマルチキャストからローカルネットワークマルチキャストへのマッピングを行う場合、例えばEthernetではI/Gビットをオンにしてグループアドレスであることを示します。IANAによって00-00-5E-xx-xx-xxMACアドレスブロックはマルチキャストに使えるよう割り振られていますので、I/Gビットを使用するとこれは01-00-5E-xx-xx-xxとなります。また、IPアドレスの下位23bitをMACアドレスの下位23bitにおきます。従って、IANAアドレス範囲は、01-00-5E-00-00-00から01-00-5E-7F-FF-FFまでとなります。IPマルチキャストアドレスにはアドレス部が28bitありますから、2つ以上のIPマルチキャストアドレスグループが、同じMACアドレスにマップされることとなります。

IPマルチキャストからMACアドレスへのマッピング

TCP/IP関連のEthernetマルチキャストアドレス
アドレスタイプフィールド利用
01-00-5E-00-00-00〜
01-00-5E-7F-FF-FF
0800Internet Multicast
01-00-5E-80-00-00〜
01-00-5E-FF-FF-FF
 Internet reserved by IANA
01-80-C2-00-00-00-802-Spanning tree (for bridges)
CF-00-00-00-00-009000Ethernet Configuration Test protocol (Loopback)

IPモジュールの拡張

宛先アドレスとしてIPマルチキャストアドレスを認識させる必要があります。また、送信マルチキャストデータグラムのIPモジュール以上へのループバックは、IPモジュールの責任で行うこととなります。即ち、ローカルネットワークモジュールは一切関知をしません。従って、自分自身が所属しているマルチキャストグループアドレスを宛先に指定する場合には、ローカルループバックが必要となります。さらに、IPヘッダの発信アドレスやルーティングパスのアドレスにはマルチキャストグループアドレスを指定してはなりません。

IPサービスインターフェイスの拡張

上位層が自ネットワーク又は他ネットワークへのホップを指示できるTTL値を設定可能にする必要があります。また、複数インターフェイスの中から層信じに使用する一つのインターフェイスを選択できなければなりません。

マルチキャスト送信機能の実装

Ethernetモジュールの拡張

Ethernetモジュールは、マルチキャストアドレス宛のフレームをIPモジュールに渡さなければなりません。マルチキャストアドレス宛でないフレームについては、上位層へそのまま渡してしまう方法と、Ethernetモジュールでチェックを行い渡さない方法のどちらかをとります。

IGMP

IPマルチキャストを受信するためには、IPモジュールの中にIGMPを実装する必要があります。IGMPはマルチキャストルータがそのネットワークのマルチキャストグループ情報を取得、保持するためのプロトコルを提供します。

ローカルネットワークインターフェイスの拡張

IPモジュールはマルチキャストデータグラムを受信できるように、ローカルネットワークインターフェイスでグループメンバーとなるための依頼をしなければなりません。拡張されるグループへの参加と離脱の操作では、パラメータはグループアドレスのみです。

IPモジュールの拡張

IPモジュールではメンバーシップとインターフェイスがペアになったリストを保持し、メンバーではないホストグループ宛や、インターフェイスが別のグループ宛のマルチキャストデータグラムを受信したときはこれを破棄しなければなりません。マルチキャストアドレスが発信元になっているデータグラムも同様です。

IPサービスインターフェイスの拡張

上位層がマルチキャストグループへの参加と離脱を指示できるようにする必要があります。また、複数の上位層が同じグループに参加したり、複数インターフェイス上の同一グループに参加をしたりできるようにする必要があります。

マルチキャストグループのアドレス

最終更新
2006-03-11T14:19:00+09:00
この記事のURI参照
http://www.7key.jp/nw/technology/term/basic/multicast.html#address
マルチキャストグループのアドレス
アドレスマルチキャストグループ
224.0.0.0ベースアドレス(予約)-指定不可
224.0.0.1自サブネットの全システム
224.0.0.2自サブネットの全ルータ
224.0.0.3割り当て無し
224.0.0.4DVMRPルータ
224.0.0.5OSPFIGP全ルータ
224.0.0.6OSPFIGP指定ルータ
224.0.0.7STルータ
224.0.0.8STホスト
224.0.0.9RIP2ルータ
224.0.0.10IGRPルータ
224.0.0.11モバイルエージェント
224.0.0.12DHCPサーバ/リレーエージェント
224.0.0.13全PIMルータ
224.0.0.14RSVPカプセル化
224.0.0.15全CBTルータ
224.0.1.0VMTPマネージャグループ
224.0.1.1NTP
224.0.1.2SGI-Dogfight
224.0.1.3RWHod
224.0.1.4VNP
224.0.1.5Artificial Horizons - Aviator
224.0.1.6NSS
224.0.1.7AUDIONEWS - オーディオニュースサービス
224.0.1.8SUN NIS+情報サービス
224.0.1.9MTP
224.0.2.1rwhoグループ(BSD)
224.0.2.2SUN RPC PMAPPROC_CALLIT
224.0.3.0-224.0.3.255PRE一般サービス
224.0.4.0-224.0.4.255PRE個別会議
224.0.10.0-224.0.10.255DLSwグループ
224.0.12.0-224.0.12.63マイクロソフト及びMSNBC
224.0.13.0-224.0.13.255UUNET PIPEXネットニューズ
224.0.15.0-224.0.15.255HP
224.0.18.0-224.0.18.255ダウジョーンズ
224.0.19.0-224.0.19.63ウォルトディズニー
224.1.0.0-224.1.255.255STマルチキャストグループ
232.0.0.0-232.255.255.255VMTP(汎用メッセージトランザクションプロトコルの臨時グループ)
239.0.0.0-239.127.255.255将来のために予約
239.128.0.0-239.191.255.255組織-ローカル
239.192.0.0-239.255.255.255サイト-ローカル

補足知識

最終更新
2006-03-11T01:53:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/technology/term/basic/multicast.html#supplement

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当ページ作成にあたり、参考にさせてもらったリソース

Copyright (C) 2005-2006 七鍵 key@do.ai 初版:2005年10月27日 最終更新:2006年03月14日