OSPF【Open Shortest Path First】

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OSPFとは

最終更新
2006-11-25T16:05:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#what

OSPFは、ISOのIS-ISプロトコルを規範としたリンクステート型ルーティングプロトコルです。RIPをはじめとするディスタンスベクタ型ルーティングプロトコルの欠点を補うためIETFにおいて提唱され、大規模なインターネットワークにも対応できるよう考案されました。OSPF情報はIPパケットペイロードとしてプロトコル番号89を使用して伝送されます。つまり、RIPのようなアプリケーション層のプロトコルではなく、トランスポート層のプロトコルと言えるでしょう。OSPFの特徴は次の通り。

OSPFで用いる用語

最終更新
2006-11-25T17:35:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#terminology
自律システム(AS)
本来の意味は、1人の管理者によって1つの管理ポリシーに従って運用されるインターネットを指すものですが、OSPFでいう自律システム【Autonomous System】は、共通のプロトコルを用いてルーティング情報を相互に交換するルータのグループを指します。
ルータID
自律システム内の各ルータを表す識別子を表します。32bitの数値で、特に指定のない限りそのルータの(アクティブな)各インターフェイスに割り当てられたIPアドレスの中で最も大きなものが用いられます。ただし、ループバックインターフェイスが設定されていれば、そのアドレスがルータIDとして用いられます。
インターフェイス
ルータとそれに接続されたネットワークとの個々の接続を表します。リンクとも呼ばれます。インターフェイスに与えられるのは、IPアドレス、サブネットマスク、メトリックです。
隣接関係(Adjacency)
アジャセンシーと発音されます。同じネットワーク内の選ばれたルータ(隣接ルータ/ネイバー【Neighbor】)の間で結ばれる関係を表します。隣接関係の形成によってルーティング情報の交換に際するネットワーク全体のトラフィックを減少させることができます。隣接関係ではないルータ同士ではリンク情報の交換はなされません。
コスト
大域幅に基づいてインターフェイスに割り当てられた値です。コストはインターフェイスの出力側に関連付けられるため、インターフェイスアウトプットコストとも呼ばれます。コスト値の算出は、100,000,000 / 帯域幅(bps)によってなされます。
パスコスト
トラフィックを転送する経路に沿ってその経路上のインターフェイスに割り当てられたコストを合計したものです。
リンク情報
ルータのインターフェイスと隣接ルータとの関係についての情報、つまり、ルータがどのリンクにどのように接続しているかを表す情報です。
LSA【Link State Advertisement】
リンク情報はLSAというメッセージを用いてアドバタイズされます。ルータはLSAを交換することによって、リンクステートデータベースを作成します。
リンクステートデータベース
ネットワークに属する自分以外の全ルータのリンク状態についてのデータベースを表します。これによりトポロジを把握することができるため、トポロジデータベース、あるいはトポロジテーブルとも呼ばれます。1つのエリア内の全ルータは同一のリンクステートデータベースを持ちます。
Helloプロトコル
OSPFが隣接ルータの結びつきや隣接関係の確立と維持に用いるプロトコルです。マルチキャストを用い、イーサネットなどのマルチアクセスネットワークでは隣接ルータの自動検出にも用います。
エリア
リンク情報を交換するルータ同士のドメインを表します。同じエリア識別情報を持つネットワークとルータの集合体であり、ネットワーク管理者が定義します。同じエリア内のルータは同じリンクステートデータベースを持ちます。OSPFネットワークを適切なエリアに分割することによって、大規模なネットワークに無理なく対応させることができます。
SPF【Shortest Path First】
各ルータがリンクステートデータベースを基にルーティングテーブルを算出する際に用いるアルゴリズムを表します。

OSPFが利用可能なネットワークトポロジ

最終更新
2006-11-25T17:53:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#topology

ポイントツーポイントネットワーク

1対1のルータを結合したネットワークを指します。専用線で結ばれたネットワークやT1専用シリアル回線などがこれにあたります。これらのネットワークにはIPアドレスを割り当てる必要がなく、その場合このリンクは無番号であると言われます。

ブロードキャストネットワーク

多数のルータが接続され、接続されている全てのルータに1つのパケットブロードキャストできるネットワークを指します。イーサネットはこのようなタイプのネットワークの一例です。

非ブロードキャストネットワーク

NBMA【NonBroadcast MultiAccess】ネットワークとも呼ばれます。ISDNX.25フレームリレーなど非ブロードキャストのマルチアクセスネットワークで、複数ルータの同時接続は可能ですがブロードキャストとマルチキャストの機能がないネットワークを指します。NBMAネットワークに属する各インターフェイスは同一ネットワークセグメントに属しているためネットワーク層レベルで考えるとブロードキャストネットワークと変わりありませんが、データリンク層レベルで考えるとVC接続の集合との形態を採っているためにVC回線を特定しなければデータを流すことができません。つまり、これらのネットワークでは全ての隣接装置に同時にパケットを送信することができないため、それぞれの隣接装置にユニキャストでデータを流すこととなります。従って、何らかの方法で事前に設定を行うことがこのタイプのネットワークでは必要となります。

OSPFパケットの種類と役割

最終更新
2006-11-25T22:37:00+09:00
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Helloパケット【OSPFタイプ値:1】

隣接関係を確立する段階で隣接ルータ同士が相手を確認しあうため、及び隣接ルータの生存確認のために用いられます。

DBD【Database Description】パケット【OSPFタイプ値:2】

データベース記述パケットと訳されます。データベース同期プロセスの一環としてルータ間で交換されるパケットです。DBDパケットは到達可能なネットワークと経路の集約情報を持ち、データベース構築の初期段階でどのような追加情報が必要かを決めるために用いられます。

LSR【Link State Request】パケット【OSPFタイプ値:3】

リンク状態要求パケットと訳されます。自分のデータベースの更新に必要な追加情報を要求する際にルータが使用します。ルータが受信したDBDパケットをチェックして特定のエントリが古くなっていないか、もしくは特定のエントリを持っているかを確認したい場合に用いられます。

LSU【Link State Update】パケット【OSPFタイプ値:4】

リンク状態更新パケットと訳されます。ルータがデータベースを同期させるために必要なネットワークとルータの情報を伝送するのに用います。LSUパケットの中にリンクステート情報であるLSAが含まれています。

LSAck【Link State Acknowledgement】パケット【OSPFタイプ値:5】

リンク状態確認応答パケットと訳されます。LSUやDBDを受け取ったことを示す、確認応答のために送信されるパケットです。

OSPFが定義するネットワークのタイプ

最終更新
2006-11-25T18:01:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#nw_type

スタブネットワーク

OSPFルータが1台だけ接続されているネットワークを指します。行き止まりのネットワークと訳されます。

トランジットネットワーク

2台以上のOSPFルータが接続されているネットワークを指します。このネットワークはトラフィックを送受信する以外に、他のネットワーク間のトラフィックを中継する役割も果たします。通過ネットワークと訳されます。

OSPFが定義するエリアのタイプ

最終更新
2006-11-25T20:39:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#area_type

エリアは32bitのエリアIDによって識別されます。従来はエリア内のネットワークセグメントIPアドレスを用いていましたが、現在では特にこだわらず適当なIDを与えることも多いようです。下記エリアによって与えられた特性によって、受信できるLSAのタイプが制御されることとなります。

標準エリア

エリアを分割しない場合でのOSPFと同じ動作をするエリアです。このエリアは、エリア内リンクアップデートと集約リンク、AS外部リンクを受け取ります。

スタブエリア

他のルーティングプロトコルからOSPFに再配布された経路も含め、AS外部のネットワークへの経路を受け取らないエリアです。バックボーンエリアや標準エリアにはAS外部リンクがアドバタイズされますが、外部経路は膨大な量となりがちであり、リンクステートデータベースの大部分が外部経路によって占められることになるおそれもあります。スタブエリアはこれを回避するための手段として用いられます。

スタブエリアに属するエリア境界ルータは、スタブエリアに向けてAS外部のネットワークへの経路情報の代わりにデフォルトルートアドバタイズします。これによりスタブアリア内のルータはAS外部へのルーティングが必要となればデフォルトルート0.0.0.0)を用いることができます。ただし、集約リンクは受け取りますので、他のエリアへのルーティングはネクストホップを特定して行います。

スタブエリアはAS外部リンクを受け取らないため、自律システム境界ルータをスタブエリアに設置することはできません(存在する場合はNSSAを作成する)。スタブエリアをバックボーンエリアとすることはできませんし、仮想リンクを通過させることもできません。

完全スタブエリア

スタブエリアをより厳密にしたエリアで、Cisco Systems社が独自に定義をしているエリアです。AS外部への経路だけでなく、AS内の他エリアへの経路も受け取らず、受け取るのはエリア内の経路だけです。つまり、自エリア内の経路以外は全てデフォルトルート0.0.0.0)を用います。

準スタブエリア

NSSA【Not-So-Stubby Area】とも呼ばれます。RFC1587の定義ではNSSAはスタブエリアと同一ですが、AS外部経路のインポートフラッディングをここを通して行うことができ、自律システム境界ルータの使用が許可されています。つまり、エリア境界ルータ自律システム境界ルータからインポートされた経路を取り出し、バックボーンエリアを通る転送用に要約することができます。

バックボーンエリア

複数のエリアを接続するための特別なエリアを表します。バックボーン以外の全てのエリアは必ずバックボーンエリアによって接続されなければなりません。バックボーンエリアは標準エリアの全ての特性を備えています。バックボーンエリアには必ずエリア番号0(Area 0又はArea 0.0.0.0)が割り当てられます。

要約なし

ポートしていないベンダがあるため、このタイプのエリアを接続するエリア境界ルータは要約LSAをこのエリア内に伝達することができません。従ってこのエリア内部にあるルータデフォルトルートのみを用いて他のエリアのネットワークにデータを送信します。

ルータのタイプ

最終更新
2006-11-25T21:26:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#router_type

内部ルータ【Internal Router】

ルータが直接接続しているどのネットワークも全て同じエリアに属するとき、そのルータを内部ルータと呼びます。内部ルータは、タイプ1とタイプ2のLSAを発信するルータです。

エリア境界ルータ

ABR【Area Border Router】とも呼ばれます。複数のエリアに接続するルータです。エリア境界ルータでは、ルータの接続先エリアをそれぞれ複数のリンクステートデータベースに記述しています。エリア境界ルータは直接または仮想リンクを通してバックボーンエリアに接続している必要があります。エリア境界ルータがエリア内ルータから受信するLSUパケットには、エリア内ルータが作成したタイプ1-LSAやタイプ2-LSAがカプセル化されています。エリア境界ルータはそれらのLSAの内容と自身のリンクステートデータベースとを比較して、その情報を集約したタイプ3-LSAを生成します。このLSAは、宛先エリアとエリアからの出口だけをアドバタイズするもので、エリアのIPアドレッシングが適切なほど生成すべきタイプ3-LSAは少なくなります。生成されたタイプ3-LSAはLSUヘッダでカプセル化され、エリア0にフラッディングされます。エリア0にフラッディングされたLSAは、エリア0の他端のエリア境界ルータから更に他のエリア内にフラッディングされます。各エリアには最低1つのエリア境界ルータがなければなりません。また、エリア境界ルータは自律システム境界ルータへの経路も送信するため、自律システム内のルータは自律システム外部とデータのやり取りをするときのデフォルトゲートウェイとしてエリア境界ルータを用いることとなります。

自律システム境界ルータ

ASBR【Autonomous System Border Router】とも呼ばれます。最低でも1つのインターフェイスが別の自律システムに接続しているルータです。他の自律システムにあるルータとお互いのネットワーク情報の交換を行います。

バックボーンルータ【Backbone Router】

バックボーンエリアへのインターフェイスをもつルータを表します。つまり、エリア境界ルータバックボーンルータとなります。ただし、ルータの中にはどのインターフェイスもすべてバックボーンルータに接続したものもあり、このようなルータはバックボーンルータであると同時に内部ルータとなります。

補足事項

最終更新
2006-11-25T13:21:00+09:00
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http://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#supplement

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当ページ作成にあたり、参考にさせてもらったリソース

Copyright (C) 2006-2007 七鍵 key@do.ai 初版:2006年11月25日 最終更新:2007年01月08日