恵比寿

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恵比寿とは

最終更新
2008-01-06T00:00:00+09:00
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恵比寿は「えびす」と読み、七福神の一柱とされる。七福神の中で唯一の日本の神で、「夷」、「戎」、「胡」、「蛭子」、「恵比須」、「恵美須」との漢字を当てることもある。姿は、烏帽子をかぶり、狩衣指貫を着、右手に釣り竿、左手に大きな鯛を持つ。現在では一般に福の神とのイメージが強いが、それは中世以降の信仰とされる。「えびす」を称する神は複数あり、「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」と「伊邪那岐命(いざなみのみこと)」の三男である「蛭子命(ひるこのみこと)」(夷三郎)か、もしくは「大国主命」の子である「事代主神(ことしろぬしかみ)」とされることが多い。そのため、同じ恵比寿を祀る神社でも場所によって神は異なっている。

恵比寿の由来

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「えびす」は元々「夷」や「戎」と書かれていたとされる。当時、中央政府は地方のまつろわぬ民や東国の者を「えみし」や「えびす」と呼び、「戎」や「夷」の字を当てていた。いずれも異邦の者や来訪者、東方の者を意味している。また、漁村では近年までイルカやクジラなどを「えびす」と呼んだり、水死体のことを「えびす」と呼んだりする地域もあり、また漁のときに水死体を拾うと大漁になるとの信仰もある。漁業に使う網の浮きに神が宿るとし、愛媛県の宇和島周辺や島根県の隠岐などではその浮きのことを「えびすあば」(あばは浮きのこと)と呼ぶ。また、九州南部には漁期の初めに海中から恵比寿の御神体とするための石を拾ってくるとの風習がある。それ以外にも日本各地の漁村で、海中から拾ったり浜辺に漂流した丸い石を恵比寿の御神体として祠に納め、初漁祝いや大漁祈願などの信仰の対象とする風習があった。これらの民俗信仰は、「えびす」の本来の性格を比較的とどめているものと考えられる。これらのことから、恵比寿は元々異邦より訪れる外来の神であり、海の向こうからやってくる水の神であったと考えられている。

「えびす」との神名の文献における初見は、平安時代後期の『伊呂波字類抄』で、そこには「夷 毘沙門」と記されている。少し時代が下った『諸社禁忌』には「衣毘須 不動」とある。古い時代には、恵比寿神は毘沙門天不動明王を本地仏とする神格として信仰されていたことがわかる。恵比寿の神像も古い時代のものほど威厳に満ちた姿となっており、当時恵比寿は「荒々しい神」として信仰されていたものとみられる。

鎌倉時代に入り、「えびす」を蛭子命と結びつける説が生まれた。記紀神話において、蛭子命は3歳になっても足が立たなかったために流し捨てられたとされる。その神話を受け、流された蛭子命はどこかの地に漂着したとの信仰が生まれ、その海からやってくる姿が海の神である「えびす」の姿と一致したためにこれらが同じ神だとされるようになった。漂着した地の伝承は各地にあるが、その代表が兵庫県西宮市の浜で、そこには蛭子命を系とする恵比寿神社の総本社である西宮神社がある。

一方、「えびす」を事代主神に結び付ける説も生まれた。事代主神は託宣の神といわれ、記紀神話においても直接に水との関連はない。しかし、記紀神話の中の国譲りの項で、天津神からの国譲りの要請を受諾するかどうかを大国主神の使者が事代主に聞きに行ったとき、事代主は釣りをしていたとされ、その海で釣りをする姿と「えびす」の海の神であることが結びつき、同一の神とされるようになったといわれる。七福神の絵図で恵比寿が釣竿を持っていたり、それで鯛を釣っていたりする事があるのは、この事代主神の話にもとづくものである。また、恵比寿と大黒が親子とも言われるのも、事代主の父親である大国主命が大黒天と習合した事による。

平安時代後期の記録では、「えびす」を市場の神(市神)として祀ったとされ、鎌倉時代にも鶴岡八幡宮内に市神として「えびす」が祀られた。このため、中世に商業が発展するにつれ、商売繁盛の神としての性格も現れる。このことから同時に福の神としても信仰されるようになり、やがて七福神の一員として数えられるようになる。

また、恵比寿は農民の間で田の神や山の神としても信仰された。日本では、春に山の神が里に降りて田の神となり、秋に山に帰って山の神となると信仰されていた(出典:『民具の博物誌』)。季節によって往来するため、遠方から福を運んでくる「客神(まろうどがみ)」としての恵比寿信仰と重なり、漁業だけではなく農業でも豊作の神となっていった。

その他

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Copyright (C) 2008 七鍵 key@do.ai 初版:2008年01月06日 最終更新:2008年01月06日