結納

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結納とは

最終更新
2008-01-04T21:23:42+09:00
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https://www.7key.jp/data/word_custom/yuinou.html#what

結納は「ゆいのう」と読み、結婚の確約の儀式で、婚約式ともされる。両家が親類となって「結」びついたことを祝い、贈り物を「納」め合うということをいう。結納は通常、公の場でなされることはないため、あくまで両家の間の私的なものだが、結納によって「結婚をします」との約束を正式に交わしたことになる。また、婚姻はある面で家の働き手が代わる、つまり嫁方の働き手が婿方に移ることに対する代償的な意味を含んでおり、更に婚姻が婿方の都合で破綻した際の一種の保障的な意味も含んでいたと考えられる。

元々は婚姻に先立ち、婿方の家から嫁方の家へ「酒肴(しゅこう)」を持参すること、またはその儀礼そのものを指した。結納は「結いの物」と呼ばれ、既に平安時代頃の婿入り婚でも婿方が初めて嫁方の家に入る際に酒肴を持参したと言われている。やがて戦国時代から江戸時代にかけての武家社会では、いわゆる嫁入り婚の形を採るようになり、結納は婿方、嫁方両家の格式に相応しい物品に変わっていった。具体的には、花嫁の衣装や帯など身の回り品一式を取り揃え、仲人を介して贈られるようになったと言われている。一方、嫁方でも、贈られた結納の額とその家の格式に見合った花嫁道具を揃えて、あらかじめ婿方に届けるようにしていた。

さらに時代を経て、結納は物品から金銭へと変化していく。現在でも結納の目録に「御帯料」や「御袴料」、「小袖料」などと書かれるのは、かつて物品を贈っていた時代の名残である。つまり、「昔は花嫁衣裳を贈ったが、現在は豪華・華美となったため女性側でお好きなものをお選び下さい」との意味で現金に変わったもので、決して花嫁道具の支度金や本人を貰い受けるような意味を持つものではない。結納金は、一般に新郎の給料の2ないし3か月分とされる。新婦側は、結納金の1割から5割にあたる金品を結納返しとして新郎側へ贈る。

他の冠婚葬祭と同様に、地域によってその仕来りや用いられる物品は様々であるが、結納品はそれぞれおめでたい意味づけがなされ、水引で豪華に飾られ、一式で数万円から数十万円がかけられる。また、結納品の数は5品・7品・9品など奇数とされ、偶数は2で割れることから「別れる」ことに通じるため避けられる。

関東では、婿方・嫁方とも同格の結納品を用意し、互いに「取り交わす」ものとされる。結納品は一式ずつ1つの白木台に乗せられる。結納金の半額を結納返しとする。結納品自体は関西よりもシンプルな物である。

関西では、結納品は婿方から嫁方へ「納める」ものとされる。結納品は一品ずつ白木の台に乗せられる。嫁方は婿方へ結納金の1割程度の額の金品を結納返しとして贈る。結納品は関東よりも豪華な物となる。家族書・親族書などが付されることもある。

現在では格式張った結納を行わず、結婚式や結婚披露宴に先立って新郎新婦の両親や家族と共にする食事会などで、婚約の確認を済ませることも多い。

結納の語源は、婚姻の申し込みや婚約の際の儀式をさす「言ひ入れ(いひいれ)」とされる。「言ふ」が語幹の変化で「ゆふ」となったため「言ひ入れ」も「ゆひいれ」となり、それに合わせて「結納(結ひ納れ)」の漢字が当てられたとされる。これが時代と共に「ゆいのう」と発音されるようになったと考えられている。

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Copyright (C) 2008 七鍵 key@do.ai 初版:2008年01月04日 最終更新:2008年01月04日