金【Gold】
金の基本情報
- 最終更新
- 2007-04-26T00:00:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/science/element/au.html#basic
金の一般特性
- 名称/記号/番号
- 金 / Au / 79
- 分類
- 遷移金属
- 族/周期/ブロック
- 11(IB) / 6 / d
- 密度/硬度
- 19300kg・m-3 / 2.5
- 単体の色
- 金色
金の原子特性
- 原子量
- 196.966569amu
- 原子半径(計測値)
- 135(174)pm
- 共有結合半径
- 144pm
- VDW半径
- 166pm
- 電子配置
- [Xe]4f14 5d10 6s1
- 電子殻
- 2, 8, 18, 32, 18, 1
- 酸化数(酸化物)
- 3,1(両性酸化物)
- 結晶構造
- 面心立方構造
金の物理特性
- 相
- 固体(反磁性)
- 融点
- 1337.33K(1064.18℃)
- 沸点
- 3129K(2856℃)
- モル体積
- 10.21×10-6m3・mol-1
- 気化熱
- 334.4kJ・mol-1
- 融解熱
- 12.55kJ・mol-1
- 蒸気圧
- 0.000237Pa(1337K)
- 音の伝わる速さ
- 1740m・s-1(239.15K)
その他
- クラーク数
- 5×10-7%
- 電気陰性度
- 2.54(ポーリング)
- 比熱容量
- 128J・kg-1・K-1
- 導電率
- 45.2×106m・Ω
- 熱伝導率
- 317W・m-1・K-1
- イオン化エネルギー
- 第1イオン化エネルギー:890.1kJ・mol-1/第2イオン化エネルギー:1980kJ・mol-1
金のその他情報
- 最終更新
- 2007-04-26T00:00:00+09:00
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金の特徴
柔かく可鍛性があり、重く、光沢のある黄色(金色)をしており、展性に富み非常に薄くのばすことができる金属。同族の銅と銀が反応性に富むこととは対照的に、イオン化傾向が極めて小さく反応性が低い。単体では金色と呼ばれる光沢のある黄色い金属であるが、非常に細かい粒子状にすると黒やルビー色に見える場合があり、時には紫色になる。これらの色は金のプラズモン周波数によるもので、主に黄色と赤を反射し青を吸収する。同様の性質を持つ金属はほかに銅とセシウムしかなく、金色に見える金属はこの3種類しか存在しない。非常に柔らかいため、他の金属と混ぜて合金とすることが容易。これにより他の金属の伸長性が増し、変化に富んだ色の金属を作ることができる。熱伝導、電気伝導ともに優れた性質を持ち、空気には浸食されない。熱、湿気、酸素、その他ほとんどの化学的腐食に対して非常に強い。そのため、貨幣の材料や装飾品として古くから用いられてきた。ハロゲンは金と反応を起こし、王水やヨードチンキは金を溶かすことができる。
金の歴史
有史以前から貴重な金属として知られ、人類が装飾用として用いた初めての金属であると推測される。古代エジプトのヒエログリフでは、紀元前2600年頃から金についての記述が見られる。有史以来、金は最も価値のある金属と考えられ、多くの通貨制度においてその基準(金本位制)とされてきた。また純粋、特権階級、価値ある物の象徴としてとらえられてきた。初期の科学者達の目指した目標は、水銀など他の物質から金を作り出す錬金術であった。金を生み出すことができる物質は賢者の石と名付けられ、賢者の石を作ることに多くの努力がなされた。その試みの全ては失敗に終わったが、その過程で発見された多くの事象を元にして今日の化学は成り立っている。
金の用途
- 金は非常に柔らかい物質であり、通常は銅や銀、その他の金属と鍛錬されて用いられる。金とその他の金属の合金は、その見栄えの良さや化学的特性を利用して装飾品として、また美術工芸品や宗教用具等の材料として利用されてきた。
- 貨幣、または貨幣的な物として用いられてきた。金貨として利用する場合は、単体では柔らかすぎるため、また金地金を充分に用意できない為などの理由で、銀や銅などの他の金属と混ぜて利用されるのが一般的。日本でも江戸時代には小判、一分金などの金貨が流通していた。明治時代になっても、銀行が発行する紙幣は、金との交換が可能で、その価値が保証されていた(兌換貨幣、金本位制)。
- 線状にして刺繍に用いられる。
- コンピュータ(CPU)の性能に大きな影響を与える物質。また、通信機器、人工衛星やジェットエンジンの主要部品として使用されている。
- 高い導電性と酸化による腐食に対する強い耐性から、表面を金メッキしたものは年月を経ても錆びないため、電子部品の電導体やコネクタの部品として広く利用されている。
- 歯科の治療に用いる歯冠として古くから利用されている。
- コロイド状金(粒状金)は、非常に強烈な色素として多くの研究室で応用が研究されている。
- 有機化学分野で触媒として広く利用されている。また、金の様々な合金はこの分野で作られたのが初め。
- 金の放射性同位体 Au-198(半減期2.7日)はいくつかの癌の抑制治療に用いられている。
- 生物学分野では、走査型電子顕微鏡で用いる生物のコーティング材として用いられている。
- 多くの競技や賞の賞品メダルの材質の1つとして用いられている。オリンピックの優勝メダル(金メダル)、ノーベル賞など。銀や銅も同様に使用される。
- 可視光、非可視光ともに良く反射するため、人工衛星の保護剤として全体に貼られている。
- 金箔が飲料や料理の食材としても用いられる。金は何の味もしないため味に影響はしないが、主に華やかに見えるという点から、祝典での料理や酒類に加えられている。
- ホワイトゴールドはプラチナや銀の代用品として装飾品によく用いられている。
- 鍼治療用として、金を含む材質の鍼が製造されている。
- イエローゴールド:18Kの場合、金75%、銀15%、銅10%が一般的。銀の割合を多くして黄色みを強くしたものはグリーンゴールドと呼ばれている(別名「青割」)。
- ピンクゴールド:18Kの場合、金75%、銀10%、銅15%が一般的。ややピンク色を帯びた金で、場合によってはさらに他の金属も混ぜてピンク色を濃くする。別名「赤割」。レッドゴールドまたはローズゴールドとも呼ばれる。
- ホワイトゴールド:18Kの場合、金75%、銀15%、ニッケルまたはパラジウム10%が一般的。黄色と白の中間色に近い色。パラジウム割のほうが高価であるが、ニッケルがアレルギー源になる恐れがあるため、国産はほとんどがパラジウム割。
その他
インドヨーロッパ語の「黄金(ghel)」にちなむ。元素記号はラテン語の「金(aurum)」から命名。
当ページ作成にあたり、参考にさせてもらったリソース
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Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年04月26日 最終更新:2007年04月26日