QoS【Quality of Service】

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QoSとは

最終更新
2007-01-12T00:00:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/control/qos.html#what

QoSは、主にネットワークにおけるサービスの品質を意味し、ある特定の通信のための帯域を予約して一定の通信速度を保証するための技術を指します。例えば、IP電話で音声を伝送するパケットは一定の間隔で遅延なく宛先に届くことが求められます。この際重要視されるのは、一定の間隔で遅延なくという部分であり、多少音声パケットが損失したからといって音声が若干途切れるくらいで会話に影響はありません。一方、電子メールを送信する際には、一定の間隔で遅延なくデータのやり取りを行う必要はなく、多少時間がかかってでもデータの損失がなく宛先まで届くことが求められます。つまり、アプリケーションごとにデータを宛先まで届ける際に重要視されることは異なり、そのために帯域を予約したり、遅延を少なくしたり、パケットロスを制御したりして、アプリケーションが提供するサービスの品質を維持することがQoSとなります。

また、TCP/IPネットワークはベストエフォートの概念が根底にあり、これを単純に摘要するとネットワークの帯域は早い者勝ち、使ったもの勝ちとなりかねません。各ネットワークアプリケーションは、通常使える帯域は最大限利用しようとします。このため、例えば企業のネットワークで業務に不可欠な通信が優先度の低い通信によって阻害されてスループットが低下するということにもなりかねません。このため、通信の目的に応じて最適な帯域を割り当てることもQoSとなります。

ネットワークにQoSを実装する際は、まずネットワーク上でどのようなトラフィックが流れているのかを明確にしなければなりません。そして、そのトラフィックに対してどのような要件が求められるかを検討します。各要件については下記のQoS評価尺度をご覧下さい。例えば、ネットワークの運用上重要な情報は最優先、リアルタイム性が重要なデータは次に優先され、HTTPなどのように送信が失敗しても影響が少ないパケットは優先度を低くする、などを決定します。多くのアプリケーションが存在する場合には、よく似たネットワーク要件のアプリケーションをまとめてグループ化し、それについて設定を摘要する場合もあります。このように、どのアプリケーションを優先するのか、各アプリケーションに対するQoSの評価尺度をどの程度にするのかを決めたものをQoSポリシーと呼びます。そして、QoSポリシーに従って各ネットワーク機器に設定を行うこととなります。一般的に、QoSはルータスイッチなどのネットワーク機器に実装され、転送能力を超えるデータが集中した場合(輻輳時)にあらかじめネットワーク管理者が設定したQoSポリシーに基づいて優先順位の高いパケットを優先的に送信したり、パケットを転送するための帯域を確保したりします。

QoSは、音声や動画のリアルタイム配信やIP電話など、通信の遅延や停止が許されないリアルタイム性が要求されるサービスにとって重要な技術となります。様々な通信インフラが混在するインターネット上でQoSを実現するための技術として、ST2【Internet Stream Protocol Version 2】IntServ【Integrated Services】、RSVP【Resource reSerVation Protocol】などがあります。

帯域制御

QoS技術の1つであり、特定データ用の帯域をあらかじめ確保し、他のデータがその帯域を使うことを禁止する制御を指します。ネットワーク運用上重要なデータや、リアルタイム性が求められるデータなどが、事前に割り当てた帯域を占有できるようにします。

優先制御

受信した順番にデータを送信するのではなく、特定のデータを他のデータに優先して送信させる制御を指します。判別には機器(MACアドレスIPアドレスで判断)やアプリケーション(ポート番号で判断)が用いられ、事前に設定された優先順位に従ってデータが送信されます。

QoSの評価尺度

最終更新
2007-01-12T00:00:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/control/estimation.html#estimation

以下の各項目を対象トラフィックについて計測し、定められたQoSが満たされているかどうかを確認することとなります。

スループット

単位時間あたりに転送できる最大データ量を指します。ネットワークでの伝送時間を決定する要因であり、平均レートとピークレートの両方で表現されます。

レイテンシー

データが送信側から宛先に到達するまでにかかる時間を指します。遅延時間と訳されます。伝送路の状況に依存する伝送遅延と、中継機器の処理能力に依存する中継遅延の合計で表されます。

ジッタ

データの到達遅延時間の標準偏差を指します。パケットの到達時刻のゆらぎ(ばらつき)を表すものです。

パケットロス

単位時間内に損失したパケット数を指します。損失率と訳されることもあります。パケットの損失は、伝送系の障害やルータバッファオーバフローなどで生じます。

補足事項

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2007-01-12T00:00:00+09:00
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https://www.7key.jp/nw/technology/control/estimation.html#supplement

サービス品質に関する類似した用語としてSLA【Service Level Agreement】があります。

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Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年01月12日 最終更新:2007年01月12日