全二重通信と半二重通信

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片方向通信【simplex】 とは

最終更新
2005-03-15T00:00:00+09:00
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https://www.7key.jp/nw/technology/term/basic/duplex.html#simplex

ネットワークにて端末同士がデータのやり取りを行う場合には、必ずどちらかの端末が送信者となりもう一方の端末が受信者となります。ただ、この送信者と受信者は常に一定とは限りません。ある時点で送信者であった端末が、次の時点では受信者になっているかもしれませんし、両端末が同時にデータを送信する場合もあるでしょう。データの流れが一方通行なのかどうか、同時に双方向で通信をすることができるかどうかは通信方式に依存することとなります。

例えばテレビの電波を想像して下さい(双方向デジタル放送は別です)。放送局と家庭のアンテナとの間でデータのやり取りを行う通信ネットワークの一種ですが、ご存知の通りデータの流れは一方通行です。このように受信者が送信者にデータを送信することができず、常に送信者と受信者が固定されている通信方式のことを片方向通信simplex】と呼びます。

半二重通信【half duplex】

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2005-03-15T00:00:00+09:00
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simplexとは逆にduplexは「二重の」と和訳でき、ネットワークの世界では双方向に通信可能な双方向通信方式のことを指します。ただ片方向通信とは違い、双方向通信には半二重通信全二重通信の2種類の通信方式がありますので注意が必要です。

まずは半二重通信から説明をしましょう。半二重通信はよくトランシーバを使っての通話に例えられます。トランシーバを使っての通話では、一方がしゃべっているときにもう一方がしゃべることはできません。相手がしゃべり終わるのを待ってからしゃべり始めなければならないのです。これはトランシーバで使う無線帯域を複数人で共有しているため、2人以上が同時にしゃべると混信が起きてしまうからです。このような通信方式のことを半二重通信方式と言います。Ethernetの世界では、10Base2 や 10Base5 のように同軸ケーブルを使用したバス型ネットワークが代表的な例と言えるのではないでしょうか。トランシーバの例と同じように、10Base2 や 10Base5 では1本の同軸ケーブルを共有するため、複数台のホストが同時にデータを送信するとコリジョンが発生します。つまり、バス上のどれか1台のホストがデータを送信している際は、他のマシンがデータを送受信することは不可能で、データを送信したいホストはケーブルが空くのを待つ必要があります。このように、一つの通信回線を共有したネットワークは半二重通信方式となります。片方向の通信ではなく双方向に通信することはできますが、同時にデータの送受信を行うことができないため、後に説明します全二重通信方式よりも通信速度が落ちることとなります。

補足ですが、ツイストペアケーブルを使っての半二重通信では、プラス側とマイナス側の1対を用いて通信が行われます。NIC にて送信と受信が切替えられるのです。

全二重通信【full duplex】

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2005-03-15T00:00:00+09:00
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全二重通信は電話を使っての通話に例えることができます。電話はトランシーバと違い、どちらか一方が話をしている途中でももう方一方が話しかけることができます。このように双方向同時にデータの送信と受信を行うことができる通信形態を全二重通信と呼びます。Ethernet の世界では、ツイストペアケーブルを使う10Base-T や 100Base-TX がこれにあたります。ツイストペアケーブルでは送受信のために別々の配線を用意しているため、データの送受信を同時に行うことができるのです。ただ、全二重通信を行うためには必ず信号線が二本以上必要であるというわけではありません。例えば周波数帯を変えて送信するなど一本の物理回線を複数の論理回線として扱い、同時に同一のケーブルに送受信信号を通すことも可能なのです。

ただし全二重通信が可能といっても、接続されているハブがリピータハブの場合や、ケーブルとNIC が全二重通信に非対応の場合などは半二重通信としてしか利用することができません。

補足

全二重通信の場合はCSMA/CDでのアクセス制御は必要ない

1000BASE-Tにおいては全二重通信のみが可能

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Copyright (C) 2005-2006 七鍵 key@do.ai 初版:2005年03月15日 最終更新:2006年09月07日