アナクシメネス【Anaximenes】

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アナクシメネス(BC585年頃〜BC528年頃)

最終更新
2007-10-03T22:49:07+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/philosophy/anaximenes.html#what

アナクシメネスは、古代ギリシアの自然哲学者。アナクシマンドロスの弟子で、アナクシマンドロスとタレスとともにイオニア学派の代表であり、ミレトス三大哲人の1人とされる。師のとなえた、アルケーが無限定なものとの考え方に賛同はしつつも、ト・アペイロンという抽象的な概念を否定し、アルケーを具体的に捉えられる世界に引き戻そうとした。アナクシメネスは、感覚的に経験でき尚且つ無限であるものを考え、「空気(プネウマ)【pneuma】」こそアルケーに相応しいと結論付けた。空気は眼に見えず重さが無く、触れる事もできなく、ほとんど感知することはできないが、それでも我々が知っている「物質」であり、また空気は量的には限りがないが、質的には限定されている。更に古代ギリシャでは、死人が呼吸をしないことから息は生命そのものであると考えられていた。そこでアナクシメネスは、ちょうど息が生命を作るように、空気が世界を作るものと考えたのである。空気には対立物が見付からず、更にそれ自身で寒暖の対立を生み出せる。例えば、口をすぼめて息を吐くと冷たく、開いて吐くと暖かく感じられる。このことから、空気は薄くなるにつれて熱くなり、最も薄くなると火になる。逆に濃くなるにつれて冷たくなって風を生み出し、雲となり水となり、更に濃くなると土を経て石になると考えた。こうしてプネウマをト・アペイロンとすることで万物の生成が説明できると考えたのである。

また、アナクシメネスは独自の宇宙論を展開したことでも知られ、地球は丸いテーブルのようなもので空気に乗って安定しており、宇宙を構成するその他のものはテーブルにある土から希薄化することによって生じるとした。月と太陽は「色板」のような円盤状のものであり、星は天球面に植えつけられた画鋲であるとした。

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Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年10月03日 最終更新:2007年10月03日