ダイナミックDNS【Dynamic Updates in the Domain Name System】
ダイナミックDNSとは
- 最終更新
- 2006-01-28T17:10:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/dns_rv.html#what
DDNS、DNS UPDATEと呼ばれる場合もあります。ゾーン情報の変化を動的に更新するDNS技術を指します。DNSでは新規ホストの追加や特定ホストのIPアドレスの変更など、ゾーン情報が変更されるたびにゾーンファイルを更新する必要があります。このため、DHCPによりIPアドレスを動的に割り振られるLAN内でサーバを公開した場合や、ISP経由でインターネットに接続している自宅でWebサーバをWWWに公開した場合など、頻繁にIPアドレスが変更される恐れがありますのでネームサーバ管理者によって手動でゾーンファイルを更新する方法は現実的ではありません。そこで、ダイナミックDNSは更新用操作コードでもあるUPDATE
を使用し、リソースレコードの追加や変更、削除を動的に可能としています。
UPDATEメッセージと処理フロー
- 最終更新
- 2006-01-28T19:25:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/dns_rv.html#update_message
UPDATEメッセージフォーマット
UPDATEメッセージ
ヘッダ | ゾーンセクション | 前提セクション | 更新セクション | 付加データセクション |
- ヘッダ【Header】
- 更新を示すメッセージヘッダ(詳細は下記)
- ゾーンセクション【Zone Section】
- 更新対象となるゾーン情報
- 前提セクション【Prerequisite Section】
- 対象ゾーンの現状に関する情報
- 更新セクション【Update Section】
- 追加・変更などに関する内容
- 付加データセクション【Additional Data Section】
- 更新ゾーンに関連する情報
ヘッダフォーマット
ヘッダフォーマット
識別子 |
QR | 操作コード | 予約 | 応答コード |
ZOCOUNT |
PRCOUNT |
UPCOUNT |
ADCOUNT |
- 識別子【ID】
- 要求者を示す識別子(16bit)。
- QR【Query Response】
- メッセージの要求を示すフラグ(1bit)。0:要求、1:応答。
- 操作コード【Opcode】
- 要求の種類を示すコード(4bit)。値:5(UPDATE)。
- 予約【Zero】
- 予約値(7bit)。値:0(0以外は無視)。
- 応答コード【Response Code】
- 要求では定義無し、応答で設定(4bit)。0:正常、1:フォーマットエラー、2:内部エラー、3:名前が無い、4:Opcode未サポート、5:実行拒否、6:存在してはならない名前、7:存在してはならないPRset、8:存在すべきPRsetがない、9:ゾーンの管理サーバではない、10:操作対象がゾーン外、11〜15:未指定
- ZCOUNT
- ゾーンセクションのリソースレコード数(16bit)。
- PRCOUNT
- 前提セクションのリソースレコード数(16bit)。
- UPCOUNT
- 更新セクションのリソースレコード数(16bit)。
- ADCOUNT
- 付加データセクションのリソースレコード数(16bit)。
ゾーンセクションのフォーマット
- ゾーン名【ZNAME】
- 更新対象となるゾーンの名称(255オクテット以下)。
- ゾーンタイプ【ZTYPE】
- SOA(認証開始、値6)(16bit)。
- ゾーンクラス【ZCLASS】
- ゾーンのクラス(16bit)。
DNS UPDATE処理フロー
- UPDATE要求メッセージを受けたネームサーバは、対象となるゾーン情報からゾーンタイプがSOAかどうかを調べます。
- 更新処理を行うのは対象となるゾーンがプライマリゾーンの場合のみとなるので、そのゾーンがスレーブであればプライマリに転送します。
- 前提セクションで指定されている全ての前提条件が現在のゾーンに一致しているかどうかを調べます。
- 更新の前に、要求メッセージの送信元に更新の許可がなされているかどうかを調べます。
- 更新は更新セクションで指定されたリソースレコードを使用して行われ、それぞれのリソースレコードからの追加や変更、削除などの操作を行います。
更新処理の際の注意点
- ワイルドカード機能は使用できない。
- CNAMEが指定されている際はCNAMEが指すアドレスレコードの元の名前も変更する必要がある。
- SOA、WKS、CNAMEの各レコードは既存のゾーンに追加できない(比較で一致した場合のみ置き換えが可能)。
- 比較処理はゾーン内のみが対象。
補足知識
- 最終更新
- 2006-01-28T13:44:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/dns_rv.html#supplement
- RFC2136【Dynamic Updates in the Domain Name System (DNS UPDATE) -- April 1997】
- RFC2137【Secure Domain Name System Dynamic Update -- April 1997】
- RFC2535【Domain Name System Security Extensions -- March 1999】
ISPの提供するダイナミックDNSのには、DHCPサーバと連携してネットワークへの接続の確立とともに自動的にゾーンファイルを更新するサービスもある。
当ページ作成にあたり、参考にさせてもらったリソース
このページに関するご案内
-
この文書は
Keyから
ネットワーク、
ネットワーク技術、
各種プロトコルとリンクを辿ると、当ページ
ダイナミックDNSとはに辿り着きます。
- Site mapよりこのサイトの全体的な構造を把握できます。
- 索引よりこのサイト内にある任意のキーワードを含んだ文書を探すことができます。
- この文書のURIは
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/dns_update.html
です。
Copyright (C) 2006 七鍵 key@do.ai 初版:2006年01月28日 最終更新:2006年01月28日