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https://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/designated_rt.html#what
他のルーティングプロトコル同様、OSPFでもルーティング情報が交換されるのは隣接OSPFルータ間のみです。ただし、OSPFルータは他のルーティングプロトコルとは異なりIPマルチキャストパケットをこの交換に用い、交換とは関係のないホストの負荷を軽減していますが、これによってルーティング情報の交換によるトラフィックを軽減するための手段が必要となります。ここで、n台のOSPFルータが同じブロードキャストネットワークを共有しているとします。全てのルータが全ての隣接ルータとルーティング情報を交換する場合、n(n-1) / 2
通りの交換が行われる計算となります。これでは台数によっては膨大な数の隣接関係(Adjacency)が構築されてしまうおそれがあり、その際に発生するトラフィックも膨大なものとなりかねません。そこでOSPFでは、どのルータも最大で2台の隣接ルータとだけ隣接関係を構築するよう情報を交換するルータを制限し、隣接関係を大幅に減らすこととしています。この隣接関係を作る相手のルータを指名ルータ(DR【Designated Router】)及びバックアップ指名ルータ(BDR【Backup Designated Router】)と呼びます。これらのルータは特別な責任を負うルータで、同一ネットワーク上の全てのルータにルーティング情報をアドバタイズするのはこれらのルータの仕事となります。この方法によりルーティングトラフィックは大幅に削減され、交換は2(n-1) - 1
通りとなります。
指名ルータとバックアップ指名ルータの選出はHelloパケットの交換によって行われます。Helloパケットにより全ルータの中でOSPFプライオリティ値が最も高いもの(値が少ないもの)を指名ルータ、2番目に高いものをバックアップ指名ルータとします。ただし、OSPFプライオリティ値が"0"に設定されたルータは、指名ルータにもバックアップ指名ルータにもなりません。プライオリティ値がどのルータも等しい場合は、ルータIDが大きなルータを指名ルータとします。どちらにも選出されなかったOSPFルータは、Drother【DROther】と呼ばれます。指名ルータとバックアップ指名ルータが一度選出されると、その後プライオリティ値が更に高いルータがネットワークに追加されても、指名ルータやバックアップ指名ルータがダウンするまでは再選出されません。また、指名ルータがダウンした場合にはバックアップ指名ルータが指名ルータとなり、バックアップ指名ルータは再選出されます。バックアップ指名ルータがダウンした場合には再選出されます。
指名ルータとバックアップ指名ルータは、ともに他のそれぞれのルータと隣接関係を構築します。また、この2つのルータ間でも同様に隣接関係を構築します。これにより、指名ルータにトラブルがあった場合でも同じ情報をバックアップ指名ルータが持っているために、安定したトポロジへの移行を最小限の時間で行うことが可能です。
バックアップ指名ルータは、送られてくる情報を受信するだけで他には何も行いません。LSUパケットの転送やデータベースの同期などは全て指名ルータに任せ、ただ指名ルータがダウンした際に備えているだけです。Drotherがネットワーク障害を検知した際、その情報は指名ルータ及びバックアップ指名ルータに知らされます。そして一定時間後に指名ルータがその情報をネットワークにフラッディングするはずです。そこでバックアップ指名ルータは、Drotherからのアップデート情報を受信した段階でタイマを起動させ、一定時間内にフラッディングが届かなければ指名ルータがダウンしているものとみなし、指名ルータに代ってLSUパケットをフラッディングします。
https://www.7key.jp/nw/routing/r_protocol/ospf.html#supplement
ネットワーク管理者は、1台のルータが複数のネットワークセグメントの指名ルータとならないよう注意しなければなりません。
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