六月月次祭
六月月次祭とは
- 最終更新
- 2009-02-15T11:18:34+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/thought/shintou/norito/tsukinami.html#what
月次祭とは、「つきなみのまつり」と読み、神道における祭礼のひとつ。「月次」とは、毎月の意味であり、古くは毎月行われたようであるが、律令祭祀としての月次祭は毎年6月と12月の11日に行うことが『延喜式』で規定されている。6月は、稲を始め穀類の成熟する前の時期であるため、水干の災難を免れるように祈願が行われ、12月は総ての収穫の後であるため、報賽の義をかねたものであると考えられている。朝廷と伊勢神宮で行われ、神祗官の斎院(西院)に大臣以下群官、諸神社の神主・祝部等が参集し、忌部氏が幣帛を班ち、中臣氏が祝詞を奏する班幣の儀式が行われた。対象となる社は、官幣の大198社(304座)で、伊勢の神官には使者を遣わして奉幣した。その後、班幣は伊勢神宮のみとなり、室町時代に入ると応仁の乱などにより班幣は廃されるようになったが、明治時代以降になって復活した。なお現在では、全国の多くの神社でも毎月一定の日を決めて月次祭が行われている。尚、伊勢神宮では、6月と12月の月次祭と神嘗祭の3つの祭礼を三節祭(さんせつさい)、三時祭(さんじさい)と称される。
六月月次祭の祝詞
- 最終更新
- 2009-02-15T14:01:27+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/thought/shintou/norito/tsukinami.html#source
班幣の当日に、神祗官に参集した神主や祝部等に対して、それぞれが奉仕する神々に斎部氏が幣帛を班つに際して、中臣氏が奏する宣命体形式の祝詞である。神祗令義解に、月次祭――謂ふ、神祗官に於て祭る、祈年祭と同じ、
とあるように、その次第や祝詞の内容など祈年祭に類似しているが、月次祭祝詞には祈年祭祝詞にみられる年穀の祈願がみられない点は異なる。
六月月次祭
輯侍神主・祝部等諸、聞食登宣、
高天原尓神留坐、皇睦神漏伎命・神漏彌命以、天社・國社登稱辭竟奉皇神等前尓白久、今年乃六月月次幣帛、――十二月者、云今年十二月月次幣帛、――明妙・照妙・和妙・荒妙備奉氐、朝日乃豐榮登尓、皇御孫命能宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
大御巫能稱辭竟奉皇神等能前尓白久、神魂・高御魂・生魂・足魂・玉留魂・大宮賣・御膳都神・辭代主登御名者白氐、辭竟奉者、皇御孫命乃御世乎、手長御世登、堅磐尓常磐尓齋比奉、茂御世尓幸閉奉故、皇吾睦神漏伎命・神漏彌命登、皇御孫命乃宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
座摩乃御巫辭竟奉皇神等乃前尓白久、生井・榮井・津長井・阿須波・婆比伎登御名者白氐、辭竟奉者、皇神能敷坐、下都磐根尓宮柱太知立、高天原尓千木高知氐、皇御孫命瑞乃御舎仕奉氐、天御蔭・日御蔭登隠坐氐、四方國乎安國登平平知食須故、皇御孫命乃宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
御門乃御巫能辭竟奉皇神等能前尓白久、櫛磐間門命・豐磐間門命登御名者白氐、辭竟奉者、四方能御門尓湯都磐村能如久塞坐氐、朝者御門開奉、夕者御門閉奉氐、疎布留物乃自下往者下乎守、自上往者上乎守、夜乃守・日乃守尓守奉故、皇御孫命乃宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
生嶋乃御巫能辭竟奉皇神等能前尓白久、生國・足國登御名者白氐、辭竟奉者、皇神乃敷坐嶋乃八十嶋者、谷蟆能狭度極、鹽沫乃留限、狭國者廣久、嶮國者平久、嶋乃八十嶋堕事無久、皇神等寄志奉故、皇御孫命乃宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
辭別、伊勢尓坐天照大御神乃大前尓白久、皇神乃見霽志坐四方國者、天乃壁立極、國乃退立限、青雲能靄極、白雲乃向伏限、青海原者棹柁不干、舟艫乃至留極、大海原尓舟滿都都氣氐、自陸往道者、荷緒結堅氐、磐根・木根履佐久彌氐、馬爪至留限、長道無間久立都都氣氐、狭國者廣久、峻國者平久、遠國者八十綱打挂氐引寄如事、皇大御神寄志奉良波、荷前者皇大御神乃前尓、如横山打積氐、殘乎波平聞看、又皇御孫命御世乎長御世登、堅磐尓常磐尓齋比奉、茂御世尓幸閉奉故、皇吾睦神漏伎命・神漏彌命登、鵜自物頚根衝拔氐、皇御孫命乃宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
御縣尓坐皇神等乃前尓白久、高市・葛木・十市・志貴・山邊・曾布登御名者白氐、此六御縣尓生出甘菜・辛菜乎持參來氐、皇御孫命乃長御膳乃遠御膳登聞食故、皇御孫命能宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
山能口坐皇神等乃前尓白久、飛鳥・石村・忍坂・長谷・畝火・耳無登御名者白氐、遠山・近山尓生立流大木・小木乎、本末打切氐持參來氐、皇御孫命乃瑞乃御舎仕奉氐、天御蔭・日御蔭登隠坐氐、四方國乎安國乎登平久知食須我故、皇御孫命乃宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登宣、
水分坐皇神等乃前尓白久、吉野・宇陀・都祁・葛木登御名者白氐、辭竟奉者、皇神等依志奉牟奧都御年乎、八束穂乃伊加志穂尓依志奉者、皇神等尓、初穂者穎尓母汁尓母、瓺閉高知、瓺腹滿雙氐、稱辭竟奉氐、遺乎波皇御孫命乃朝御食・夕御食乃加牟加比尓、長御食乃遠御食登、赤丹穂尓聞食故、皇御孫命乃宇豆乃幣帛乎、稱辭竟奉久登、諸聞食止宣、
辭別、忌部乃弱肩尓太襁取挂氐、持由麻波利仕奉礼留幣帛乎、神主・祝部等受賜氐、事不過捧持奉登宣、
六月月次祭
輯はり侍る神主・祝部等、諸聞き食へと宣ふ、
高天原に神留り坐す皇睦神漏伎命・神漏彌命以て、天社・國社と稱辭竟へ奉る皇神等の前に白さく、
今年の六月の月次の幣帛を――十二月には、今年の十二月の月次の幣帛と云へ、――明妙・照妙・和妙・荒妙に備へ奉りて、
朝日の豐榮登に、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
大御巫の稱辭竟へ奉る皇神等の前に白さく、神魂・高御魂・生魂・足魂・玉留魂・大宮賣・御膳都神・辭代主と御名は白して、
辭竟へ奉らくは、皇御孫命の御世を、手長の御世と、堅磐に常磐に齋ひ奉り、茂御世に幸へ奉るが故に、皇吾睦神漏伎命・神漏彌命と、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
座摩の御巫の辭竟へ奉る皇神等の前に白さく、生井・榮井・津長井・阿須波・婆比伎と御名は白して、辭竟へ奉らくは、皇神の敷き坐す、下都磐根に宮柱太知り立て、
高天原に千木高知りて、皇御孫命の瑞の御舎仕へ奉りて、天御蔭・日御蔭と隠り坐して、四方の國を安國と平けく知し食すが故に、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
御門の御巫の辭竟へ奉る皇神等の前に白さく、櫛磐間門命・豐磐間門命と御名は白して、辭竟へ奉らくは、四方の御門に、湯都磐村の如く塞り坐して、
朝には御門を開き奉り、夕には御門を閉て奉りて、疎布留物の下より往かば下を守り、上より往かば上を守り、
夜の守・日の守に守り奉るが故に、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
生嶋の御巫の辭竟へ奉る皇神等の前に白さく、生國・足國と御名は白して、辭竟へ奉らくは、皇神の敷き坐す嶋の八十嶋は、
谷蟆の狭度る極み、鹽沫の留る限り、狭き國は廣く、嶮しき國は平けく、嶋の八十嶋堕つる事無く、
皇神等の寄さし奉るが故に、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
辭別きて、伊勢に坐す天照大御神の大前に白さく、皇神の見霽かし坐す四方の國は、天の壁立つ極み、國の退き立つ限り、青雲の靄く極み、白雲の向伏す限り、
青海原は棹柁干さず、舟の艫の至り留る極み、大海原に舟滿ち都都氣て、陸より往く道は荷の緒結ひ堅めて、磐根・木根履み佐久彌て、
馬の爪の至り留る限り、長道間無く立ち都都氣て、狭き國は廣く、峻しき國は平けく、遠き國は八十綱打挂けて引き寄する事の如く、皇大御神の寄さし奉らば、荷前は皇大御神の前に、
横山の如く打積み置きて、殘をば平けく聞し看さむ、又皇御孫命の御世を長御世と、堅磐に常磐に齋ひ奉り、
茂御世に幸へ奉るが故に、皇吾睦神漏伎命・神漏彌命と、鵜自物頚根衝き拔きて、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
御縣に坐す皇神等の前に白さく、高市・葛木・十市・志貴・山邊・曾布と御名は白して、此の六御縣に生ひ出づる甘菜・辛菜を持ち參來て、
皇御孫命の長御膳の遠御膳と聞し食すが故に、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
山の口に坐す皇神等の前に白さく、飛鳥・石村・忍坂・長谷・畝火・耳無と御名は白して、遠山・近山に生ひ立てる大木・小木を、本末打切りて持ち參來て、
皇御孫命の瑞の御舎仕へ奉りて、天御蔭・日御蔭と隠り坐して、四方の國を安國と平けく知し食すが故に、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと宣ふ、
水分に坐す皇神等の前に白さく、吉野・宇陀・都祁・葛木と御名は白して、辭竟へ奉らくは、
皇神等の依さし奉らむ奧都御年を、八束穂の伊加志穂に依さし奉らば、皇神等に、初穂は穎にも汁にも、瓺の閉高知り、瓺の腹滿て雙べて、
稱辭竟へ奉りて、遺をば皇御孫命の朝御食・夕御食の加牟加比に、長御食の遠御食と、赤丹の穂に聞し食すが故に、皇御孫命の宇豆の幣帛を、稱辭竟へ奉らくと、諸聞き食へと宣ふ、
辭別きて、忌部の弱肩に太襁取り挂けて、持由麻波利仕へ奉れる幣帛を、神主・祝部等受け賜りて、事過たず、捧げ持ちて奉れと宣ふ、
このページに関するご案内
-
この文書は
Keyから
資料集、
思想、
神道、
祝詞とリンクを辿ると、当ページ
六月月次祭に辿り着きます。
- Site mapよりこのサイトの全体的な構造を把握できます。
- 索引よりこのサイト内にある任意のキーワードを含んだ文書を探すことができます。
- この文書のURIは
https://www.7key.jp/data/thought/shintou/norito/tsukinami.html
です。
Copyright (C) 2009 七鍵 key@do.ai 初版:2009年02月15日 最終更新:2009年02月15日