孔雀明王

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孔雀明王とは

最終更新
2007-08-25T00:00:00+09:00
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孔雀明王は「くじゃくみょうおう」と読み、菩薩の姿をした明王。サンスクリットでは「マハーマユーリ【Mahamayuri】」で、偉大な孔雀の意味。「マユーリ」は孔雀を意味する「マユーラ」の女性形であるため、本来は性を分けない仏の中でも、孔雀明王は明王の紅一点とみなされることが多い。摩訶摩瑜利(まかまゆり)、孔雀仏母、孔雀王母菩薩、金色孔雀王などとも呼ばれ、憤怒の相が特徴である明王のなかで例外的に慈悲を表した柔和な表情「菩薩形」をもつ。別名からも判るように元々は菩薩であったとの説もあり、明王の中では最初に生み出されたとも考えられている。また、古くからインドでは、孔雀は害虫やコブラなどの毒蛇を食べて恵みの雨をもたらす益鳥、吉鳥と考えられてきた。現在でもインド孔雀はインドの国鳥とされている。そうしたインドの孔雀信仰を仏教に取り入れたのが孔雀明王であるとする説がある。

孔雀明王は、人間の煩悩の象徴でもある三毒(食欲・怒り・愚痴)を食らい、仏道に成就せしめる功徳があるとされ、雨乞いや除災、息災延命などを祈願する『孔雀経法』の本尊になっている。真言密教において『孔雀経法』による祈願は鎮護国家の大法とされ、重要視された。孔雀明王が日本に伝わったのは奈良時代とされ、修験道の開祖とされる役小角が篤く信仰したとされる。

孔雀明王は二臂や六臂であらわされることもあるが、一面四臂像としてあらわされるのが一般的である。天衣をまとった菩薩形で、孔雀の上に置かれた百蓮華に結跏趺坐し、宝冠をかぶって瓔珞や腕釧をつけている。左の第一手には吉祥果を持ち調伏を意味し、左の第二手には孔雀の尾を持ち息災を意味する。右の第一手には増益を意味する倶縁果を持ち、右の第二手には敬愛を意味する蓮華を持つ。

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Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年08月26日 最終更新:2007年08月26日