タレス【Thales】

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タレス(BC624年頃〜BC546年頃)

最終更新
2007-10-14T12:24:05+09:00
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https://www.7key.jp/data/philosophy/thales.html#what

タレスはイオニア(ミレトス)学派の創始者で、人類史上最初の哲学者とされる。古代ギリシャの植民都市ミレトス出身。それまでギリシャでは、人間の力が及ばない自然現象は全て神の力によるものと信じられていたが、タレスはこの説に初めて異論を唱えたとされる。タレスは世の中に存在するあらゆるもの(万物根源:アルケー)を探求し、それを水と考えた。水はあらゆる生物に不可欠で動物も植物も水を含んでいるが、無機物である岩や金属は乾燥しており、動植物の死体はすぐに干からびてしまう。さらに水は個体・液体・気体と物質の三態を取り得、他のものにない可変性をそなえている。このことからタレスは、水はどのような変化も受け入れ得る点からアルケーと呼ぶに相応しいと考えるようになった。存在する全てのものは水から生成され、水へと消滅していくものだと考え、大地は水の上に浮かんでいるとし、世界は水からなり、そして水に帰るとの説を唱えた。このようにタレスは、世界の原理に疑問を抱き、自然科学的な法則に目を向けるきっかけを作った人物として「哲学の祖」とも呼ばれている。タレスは自然科学の力を不可視の存在とせず、目に見えるものの中に探り、人間の理性の働きを用いてそれを説明しようとしたのである。

タレスは植民都市ミレトスの出身で、フェニキア人のテリダイ一族の名門の家系から生まれたとされる。紀元前6世紀頃のギリシャ植民都市は、地中海貿易によって経済的に潤っていただけではなく、近隣のペルシャやバビロニアとの交流が盛んで、市民の知的水準が高かったと言われている。そこでタレスは本土とは異なる新しいものの見方を身につけたとの背景もある。その後タレスは、エジプトで測量術を学んだとされる。円が直径で二分されることを証明したことでも有名で、また影を使ってピラミッドの高さを測定する方法(地に落ちた自分の影と比較)を編み出した。当時すでに日食を予言(BC585年5月28日)するなど(ヘロドトスによる)、天文学にも通じていたとされる。タレスはその後、政治活動に従事したのち自然の研究に携わるようになったとされる。ただし、タレス自身が直接書いた著作や記録は残っておらず、古代の著作や記録でタレスに言及したものから、その思想などを推察することしかできない。

タレスの残した名言

ターレスの定理

「直径に対する円周角は、直角である」とのもので、ターレス自身が、円周角上の点と円の中心を結び、2つの二等辺三角形を作ってこの定理を証明したために、この名前がついたとされる。

その他

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Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年09月30日 最終更新:2007年10月14日