ツバキ
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ツバキの情報
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ツバキとは、ツバキ科ツバキ属の植物の総称だが、狭義には種としてのヤブツバキを指す場合が多いため、当ページも特に断らない限りはそれにならう。
一般名 | ツバキ |
学名 | Camellia japonica |
科名と属名、園芸分類 | ツバキ科ツバキ属の常緑中低木 |
英語名 | camellia |
別名 | カメリア、ヤブツバキ(藪椿) |
花の情報 | 紅色五弁のものが普通とされるが、白・桃・紅に白斑入り・紅白のぼかし・覆輪・咲き分けなどもある。 |
開花時期 | 12〜3月 |
原産地 | 日本、支那 |
適温 | 寒さには強いが-10℃くらいまで |
草丈 | 6〜8m |
花径 | 3〜10cm |
その他外観に関すること
知識
- 花が美しく利用価値も高いため『万葉集』の頃からよく知られた植物。『日本書紀』には天武天皇3(675)年に吉野からシロツバキが献上されたと記され、正倉院には金銀など五彩に仕上げたツバキの杖が納められている。観賞が盛んになったのは室町時代末とされる。他家受粉で結実するために変種が生じやすいことから、古くから品種改良が行われてきた。江戸時代には江戸の将軍や肥後、加賀などの大名、京都の公家などが園芸を好んだことから、庶民の間でも大いに流行し、たくさんの品種が作られた。
- 18世紀、イエズス会の助修士(ジェスイット会の旅行家との説もある)ゲオルク・ジョセフ・カメル【G. J. Kamell】(チェコ・スロバキア)がフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介(エンゲルベルト・ケンペルとの説もあり:1712年の廻国奇観)。その後、カール・フォン・リンネがカメルにちなみ、「カメル」と名付けた。19世紀には、冬にでも常緑で日陰でも花を咲かせる性質が好まれ、園芸植物として大変な人気を博した。ジュゼッペ・ヴェルディ【G. Verdi】のオペラ『椿姫』【La Traviata:1853年】にも主人公の好きな花として登場する。
- 和名の「つばき」は、「厚葉樹(あつばき)」または「艶葉樹(つやばき)」、「津葉木」が訛化したものと考えられている。
- ツバキの花は、花びらが個々に散るのではなく萼の部分から丸ごと落ちる。これは首が落ちる様子を連想させるため、入院などのお見舞いに持っていくことは忌まれている。この様は古来より「落椿」と表現され、俳句においては春の季語である。
- 大木の取得が困難なため、建築用にはあまり用いられない。木質は固く緻密、かつ均質で木目は余り目立たない、摩耗に強くて摩り減らない等の特徴から工芸品や細工もの等に使われる。代表的な用途は印材。
- 椿油は、種子(実)を絞った油で、用途の広さから「和製オリーブオイル」とも呼ばれる。高級食用油、整髪料として使われる他、古くは灯りなどの燃料油としてもよく使われた。
- 漢字の「椿」は日本で作られたもので、花が春に咲くことにちなむ。支那で「椿」はニワウルシのことを指し、漢字による表記は「山茶」もしくは「紅山茶」となる。
- 夏に白い花を咲かせるツバキは、ナツツバキ(夏椿)と呼ばれる同じ科属の花。
- 欧米ではサザンカとツバキの区別がなく、両方ともカメリア【camellia】と呼ばれている。
- カメリアとのツバキから名付けられた色名がある。
ツバキとサザンカの比較
| サザンカ | ツバキ |
科属名 | ツバキ科ツバキ属 | ツバキ科ツバキ属 |
花期 | 10〜12月 | 12〜翌4月 |
花径 | 5〜7cm | 3〜10cm |
花の特徴 | 花弁が基部で合着していない | 葯や花弁が基部で合着 |
花の散り方 | 花弁が一枚ごとに散る | 萼の部分から丸ごと落ちる |
雄しべ | 筒状にならない | 筒状になる |
葉長 | 3〜7cm | 5〜12cm |
葉形 | 楕円形で先が尖る | 細長め |
葉縁 | 鋸歯 | 全縁 |
葉柄と中肋 | 表面に毛がある | 表面に毛がない |
実 | 表面に毛がある | 表面に毛がない |
芳香 | 有 | 無 |
上記比較表は一般的に言われていることであり、例外も多々あるため注意が必要。
ツバキの系統
ユキツバキ
日本海側の豪雪地帯で作出された品種群。原種のユキツバキが元になっている。寒さにはよく耐えるが、冬に乾燥する太平洋側では育ちにくい。
京ツバキ
主に一重咲き。
江戸ツバキ
一重から千重咲きまでさまざまな花形。
侘助ツパキ
子房に毛が生えているのが大きな特徴。花形は一重から半八重咲き、花の大きさは極小輪から小輪まで。
侘助
複数の小輪多花性ツバキの総称。「太郎冠者(たろうかじゃ)」との品種から派生したもの。
洋種ツバキ
欧米で作られた品種群の総称。アメリカで作出された品種が主流。千重咲きが多い。
亜熱帯系ツバキ
葉が大きく、やや寒さに弱い。
花言葉
- 完璧な魅力
- 女らしい可愛らしさ
- 誇り
- 控えめな美点
- 美徳
- 常にあなたを愛します
ツバキ(赤)の花言葉
- 気取らない優美
- 気取らぬ魅力
- つつしみ深い
- 高潔な理性
ツバキ(白)の花言葉
- 申し分の無い魅力
- 理想の愛
- 理想的愛情
- 至上の美
- 理想的な愛情
- 冷やかな美しさ
ツバキ(ピンク)の花言葉
ヤブツバキの花言葉
ナツツバキの花言葉
ワビスケの花言葉
ワビスケ(ピンク)の花言葉
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Copyright (C) 2008 七鍵 key@do.ai 初版:2008年07月21日 最終更新:2008年07月21日