帯祝い

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帯祝いとは

最終更新
2008-01-06T00:24:00+09:00
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https://www.7key.jp/data/word_custom/obiiwai.html#what

帯祝いは「おびいわい」と読み、妊婦の妊娠5か月目にあたる戌の日に、安産を祈願して腹帯を巻く儀式のことを指す。妊婦が巻く腹帯を「岩田帯(いわたおび)」と呼ぶ。5か月目に祝われる理由は、妊娠が安定期に入るためである。戌の日に祝われる理由は、犬が多産でお産が軽いことにあやかるようにとの願いが込められているからで、更に、仏教で犬は人の霊魂が彼岸と此岸の境界で行き来するのを守る役目をすると考えられていたからである。記録では江戸時代頃から戌の日に帯祝いがなされるようになったとされている。

この日のために、妻の実家から岩田帯に用いる白木綿のほか、米や小豆などが贈られる。当日は、「帯役」や「帯親」と呼ばれる子宝に恵まれた夫婦に立ち会ってもらうのが一般的。妊婦の下腹部に岩田帯を巻き、家族や親しい人たちと共に赤飯などを食べてお祝いをする。岩田帯を巻いた妊婦と共に安産祈願の神社に出向き、安産を祈ることもある。また、儀式用の紅白二筋の絹地に普段用の白木綿一筋を重ねた祝い帯を巻いてお祝いをする場合や、腹帯に「戌」や「犬」の漢字を書く場合もある。

岩田帯とは、もともと「斎肌帯(いはだおび)」から変じた言葉である。「斎」は「忌み」との意味で、かつて出産は穢れと考えられ、帯祝いの日から出産の忌みに入るため、この腹帯を肌に着けて安産を願ったといわれる。ただし、岩のようにたくましく元気な子供が生まれるようにとの願いからつけられたものとする説もある。帯の長さは、末広がりの八尺や、七尺五寸三分(七五三)とされることが多い。

妊婦が腹帯を巻く習慣自体はかなり古くからあったとされ、『古事記』の記述にもこれが見られる。神功皇后が三韓征伐に赴いた際、ご懐妊中であったため途中で産気付くことのないよう、また帰国して無事出産できるようにとの願いから腹帯を巻いたのがそもそもの始りだと記されている。

宮中では「着帯の儀」が行われる。最初の記録は平安時代の1177(治承元)年で、建礼門院が安徳天皇を懐妊した際のものである。

帯祝いは妊婦の実家から娘に腹帯を贈るときに用いられ、妊婦の実家以外の人がお祝いの金品を贈る際は「着帯祝い(ちゃくたいいわい)」と呼ばれることもある。

帯祝いは、信仰的な理由のほかに医学的にも意味があるとされる。岩田帯は妊婦のお腹を保護し、胎児の位置を安定させる効果がある。更に腰痛や腰の冷えを防ぐ効果もある。また、妊婦たる女性に自分が妊婦であるということを自覚させ、慎重に動くようになるなどの心理的効果も認められている。

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Copyright (C) 2008 七鍵 key@do.ai 初版:2008年01月06日 最終更新:2008年01月06日