天邪鬼の語源

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天邪鬼とは

最終更新
2008-01-15T00:00:00+09:00
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https://www.7key.jp/data/language/etymology/a/amanozyaku.html#what

読み(正かな遣い):品詞区分

あまのじゃく(あまのじゃく):名詞

天邪鬼の意味

(1)人の言うことやすることにわざと逆らうひねくれ者。つむじまがり。あまのじゃこ。

(2)昔話に悪者として登場する鬼。「瓜子姫」に出るものが有名。記紀神話の天探女に由来するともいわれる。

(3)仏像で四天王や仁王が踏みつけている小さな鬼。また、毘沙門天が腹部に付けている鬼面。

(4)鳥キタタキの別名。

天邪鬼の語源や由来

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2008-01-15T00:00:00+09:00
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仏教では人間の煩悩を表す象徴として、四天王や執金剛神に踏みつけられている悪鬼、また毘沙門天像の鎧の腹部にある鬼面ともいわれる。これは、鬼面の鬼が支那の「河伯(かはく)」との水鬼に由来し、同じく支那の水鬼である「海若(かいじゃく)」が「あまのじゃく」と訓読されるため、日本古来の天邪鬼と習合され、足下の鬼類をも指して言うようになった。

日本古来の天邪鬼は、記紀にある天稚彦(あめのわかひこ)や天探女(あまのさぐめ)に由来する。天稚彦は葦原中国を平定するために天照大神によって遣わされたが、務めを忘れて大国主神の娘を妻として8年経っても戻らなかった。そこで次に雉名鳴女を使者として天稚彦のもとへ遣わすが、天稚彦は仕えていた天探女から告げられて雉名鳴女を矢で射殺。しかし、その矢が天から射返されて、天稚彦自身も死んでしまう。

天探女は、天の動きや未来、人の心を探ることができる呪術師的な存在とされ、この説話が後に人の心を読み取って反対に悪戯をしかける小鬼へと変化していった。本来、天探女は悪者ではなかったが、天稚彦に告げ口をしたことから、天の邪魔をする鬼、つまり「天邪鬼」となったといわれる。また「天稚彦」は、「天若彦」や「天若日子」とも書かれるため、仏教また支那由来の「海若」と習合されるようになったものと考えられている。

天邪鬼は「人の心を見計らって悪戯をしかける子鬼」とされることから転じて、現代では「他者(多数派)の思想や言動を確認したうえで、あえてこれに逆らうような言動をするひねくれ者」「本心に素直になれず、周囲に反発する人」またはそれらのような言動を指して、「あまのじゃく」と称されるようになった。

参考文献

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Copyright (C) 2008 七鍵 key@do.ai 初版:2008年01月15日 最終更新:2008年01月15日