輸入許可前における貨物の引取制度とは

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輸入許可前における貨物の引取制度とは

最終更新
2006-11-21T23:21:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/customs/before_permit.html#what

輸入申告後、新規輸入品であるために課税標準の審査に日時がかかる場合など税関側の事情により輸入許可が遅延する場合など、或いは輸入貨物が動植物や貴重品、危険物等申告者側において特に引取りを急ぐ理由があると認められる場合などには、税関長の承認を受けて輸入許可前に貨物を本邦に引き取ることができ、その制度を指していう。また、協定税率、シンガポール協定税率、メキシコ協定税率又は特恵税率などの適用のため必要とされる原産地証明書が未着のためその提出が遅れる場合にも、当制度を利用することができる。また当制度は、申告納税方式をとる貨物について適用される。

関税法第73条(輸入の許可前における貨物の引取り):外国貨物(特例申告に係る指定貨物を除く。)を輸入申告の後輸入の許可前に引き取ろうとする者は、関税額(過少申告加算及び第十二条の四第一項(重加算税)の規定により課される重加算税に相当する額を除く。)に相当する担保を提供して税関長の承認を受けなければならない。

  1. 輸入(納税)申告を行う。
  2. 関税額に相当する担保を提供し、輸入許可前貨物の引取承認申請を行う。この担保の提供は必ず必要であり、又輸入申告前に輸入許可前貨物の引取承認申請を行うことはできない。
  3. 輸入許可前貨物の引取承認。この時点で当該貨物を保税地域から引き取ることができるが、関税は納付されていない。当承認後も税関は引き続き納税申告についての審査を行う。
  4. 審査結果により
  5. 税額の納付及び担保の解除。
  6. 輸入許可

関税法7条の17(輸入の許可前に引き取られた貨物に係る税額等の通知):税関長は、第七十三条第一項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物に係る税額等につきその納税申告に誤りがないと認められた場合には、当該申告に係る税額及びその税額を納付すべき旨(関税の納付を要しないときは、その旨)をの他政令で定める事項を、書面により、当該引取りの承認を受けた者に通知する。

関税法7条16の第1項:税関長は、納税申告があつた場合において、その申告に係る税額等の計算が関税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告に係る税額等を更正する。

輸入許可前における貨物の引取承認がなされない場合

以下の貨物においては、輸入許可前における貨物の引取承認がなされない(関税法73条2項)。

関税法73条2項:輸入の許可を与えることができない場合(前条の規定による場合を除く。)においては、税関長は、前項の承認をしてはならない。

輸入許可前における貨物の引取承認がなされた貨物の性質

輸入許可前における貨物の引取承認により引き取られた貨物は、原則として内国貨物として扱われる(関税法73条3項)。

関税法73条3項:第一項の承認を受けた外国貨物は、この法律の適用については、第四条(課税物件の確定の時期)、第五条(適用法令)、前条(関税等の納付と輸入の許可)、第百五条(税関職員の権限)、及び第百六条(特別の場合における税関長の権限)を除くほか、外国貨物とみなす。

従って、輸入許可前における貨物の引取承認がなされた貨物を外国に向けて送り出す場合には、輸出通関手続きが必要となる。

補足

最終更新
2006-11-21T23:02:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/customs/before_permit.html#supplement

輸入許可前における貨物の引取制度をBPともいう。

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当ページ作成にあたり、参考にさせてもらったリソース

Copyright (C) 2006 七鍵 key@do.ai 初版:2006年11月21日 最終更新:2006年11月21日